Smiley face
写真・図版
パリで2024年2月7日、式典に参加するフランソワ・バイル氏=AP

 フランスのマクロン大統領は13日、内閣不信任で首相を辞任したバルニエ氏の後任に中道政党「民主運動」を率いるフランソワ・バイル氏(73)を任命した。国民議会(下院)で過半数に届く勢力がない中、右翼や左派と対話できる仏政界の重鎮を選んだ。前政権はわずか2カ月半で総辞職に追い込まれており、安定した政権を築けるかが今後の焦点になる。

  • 国民の怒り生んだ「賭け」 エリート大統領が「嫌われ者」になるまで

 バイル氏は1993~97年にミッテラン、シラク両政権で教育相、2017年に発足した1期目のマクロン政権で司法相を務めた。過去には大統領選の第1回投票で3位の座を獲得するなど、仏南西部ポー市の市長を務める今も中道の政治家として国民から一定の支持がある。

 仏下院では今夏の解散・総選挙で、マクロン氏率いる中道連合が第2勢力に転落。左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」と極右の流れをくむ右翼「国民連合(RN)」が躍進し、三つどもえの状態にある。総選挙後に発足したバルニエ内閣はNFPとRNの共闘による不信任の可決を受け、今月5日に総辞職に追い込まれた。

 マクロン氏は後任の任命にあ…

共有